どうも、鰐です。
6月10日、WIREDが復刊しました。
復刊から更新までちょっとタイミングがズレてますが、記事をじっくり読んで、読後の余韻も含めて考えてから書きたかったのです。

1970年代前半に生まれたボクなので、WIREDやStudioVoiceにquickjapanは少なからず思い入れがある雑誌です。
音楽、絵画、映画、テクノロジー。
そうしたカルチャーをボーダーなく、ちょっと斜めな視点で、少しマニアックな知識と共に読ませてくれるこれらの雑誌に感化された時期があったわけです。
いわゆるサブカルですね。

廃刊になってもwebのWIRED VISIONは続いてきました。
techcrunchなんかとセットで読んでる人も多いと思いますし、ボクもこうしたコンテンツは好きで毎日チェックしてます。

こうした情報はwebで簡単に手に入るようになって、それが当たり前の社会になりました。
今はもうインターネットがこれだけ普及して、調べる・探すことがローコストになったわけです。
メジャーとマイナーのボーダーが曖昧になり、サブカルもどんどん人目に晒されてきました。
こんなことは方々で言われてきたことで今更ですよね。

こうした雑誌が得意とする部分に誰でも踏み込めるようになった環境で、また自らがwebで配信している中で、新WIRED誌はどんな形で読ませてくれるんだろう？どんな興味を引き出してくれるんだろう？
そんな期待で買ってみた復刊1号。

ちょっと…いや、とても期待外れでした…。

良くも悪くも以前のWIREDと大差ないんですよ。
凝った紙面作りのインパクト。
レトロクラシックなデジタル感。
否定とも肯定ともとれない結論で促す考察。
大衆的な情報からは少し外れた切り口のインタビュー。

そうした記事なので読んでる時はそれなりに面白い。
でも読後に残るものがない。
無味無臭な雑誌に感じるわけです。
何だろうね。
週刊アスキー。
あんな感じ。
ただしちょっと上から目線というか。
サブカル的な高尚さを醸し出したい人が好む文体が、今となっては古臭さしか醸し出せていない感じ。
記事によっては当時を知らない人が主観で書いてるから間違いもあるし。
そんな細かいことを気にせず、ちょっと暇な時に興味ありそうな記事をさっと読む。
そんな感じには程よい雑誌。

今度のWIREDはWebとの連動もあるんでした。
どれどれ…と見てみると、雑誌購入した読者にとってのメリットは何？
ひと昔前の雑誌連動企画から変わりばえしてないと言うか。
メディアやテクノロジーを謳う雑誌としては拍子抜けな企画。
他はWIRED.JPでこそのコンテンツもないように感じるし。
WIRED VISIONのほうがよほど面白いと思う。

新創刊の雑誌として、テクノロジー系ゴシップ誌として、さっと読むにはそれなりに面白いです。
たぶん、読者の期待値もそれなりに満してるとも思います。
でもそれ以上ではないかなあ。
今再びWIREDの名前で出てきたことに期待した人は、落胆しちゃうと思います。

旧WIRED誌が、WIRED.comが、それらが好きなボクは残念でした。
『テクノロジーはぼくらを幸せにしているか？』
少なくとも記事を書いた人は幸せになったのか。
テクノロジーは自分の幸せを築いてくれているのか。
それくらいは答えを出して欲しかった。