photo credit: Headphones / pasukaru76
音質改善や音質向上という謳い文句で紹介されることの多い『AUDYSSEY Music Player』。
実際はヘッドホン・イヤホン個々に『Audysseyが推奨するイコライザーの設定』がプリセットされています。
『音質を良くする』のではなく『使用者によっては好みに近くなる』かもしれないアプリですね。
(イコライザーと言うと簡単ですが、実際には高度な技術と論理で構築されたアプリです)
『音質』の良し悪しは聞く人によって評価のポイントが変わります。
高域が広がることを重視する人、低域が重く深く響くことを重視する人。
フラットな音が良いとしても、聞く人によって『フラットな音』の解釈も異なります。
また、ヘッドホンやイヤホンを標準のものから買い換えてる場合。
多くの人は店頭などで視聴して好みに近い音で鳴る製品を選んでいると思います。
それぞれの製品には音の特性があり、メーカーによっても傾向があります。
こうしたイコライザアプリはバッテリ消費が気がかりですよね。
簡易的に計測したところ、iOS7標準のミュージックと比較して3%前後の負荷増でした。
実際に朝の通勤で使ってみたところ、1.5時間使い続けて10%のバッテリー消費。
標準ミュージックアプリでも同程度の消費だったので、それほどの違いはないと思います。
サポートされているヘッドホン・イヤホンはかなりの種類になります。
ボクなんかは製品リストを眺めるだけでもちょっと楽しめちゃったり。
イヤホンを挿すと勝手に認識されるわけではありません。
複数のイヤホンを使ってる場合、いちいち切り替えるのがちょっと面倒かも。
サポートされていない製品はアプリからリクエストすることができます。
今回は自宅で使うAKG K240 Studioと、通勤で使うShure SE215speの2機種で試してみました。
もっとも効果があったのはAKG K240 Studioですね。
メロディの抑揚がつかみやすくなり、音のひとつひとつがはっきりとしました。
低域も音量が増えてダンスミュージックなどでは沈むような低音までしっかりと鳴らせます。
映画音楽のPromenade sentimentale(Vladimir Cosma)みたいなピアノが美しい曲も似合います。
クラブミュージック系のSKYHIGH(FreeTEMPO)などでも張りのあるリズムを楽しめます。
目立って相性が悪いと感じる曲はありませんが、SUPER☆STAR(Clammbon)はちょっと違和感も。
低域が増えたかわりに高域に若干の狭さを感じるのですが、それがボーカルの味を削いでるような。
この辺は曲によってイコライザのオフオンを切り替えることで解消できます。
逆に相性が悪いと感じたのはShure SE215spe。
通勤時に常用しているイヤホンですが、広域がかなり削られて低域が増えています。
良く言えば音に暖かみが増える感じかな。
曲によってはまったく聞こえなくなる音がいくつも見つかります。
特にコミュニケーション(Perfume)やRum Hee(Shugo Tokumaru)では明らかに失われた音があります。
Promenade Sentimentaleでは高域が削られてメロディが低音に引っ張られてバランスを崩しています。
ただし、低音重視とするならSkyHighのような曲と組み合わせると盛り上がりますね。
他の所有イヤホンもセットされていたので、短時間ながら試してみました。
B&O A8、BOSE IE2は若干低域に偏り音がこもる感じもあり、曲によって相性が変わります。
Klipsch X10、UE TF10は高域が強調されるようで、音全体がハデに響きます。
これらのイヤホンとは、あまり相性がよくない気がします。
他のイコライザーアプリと異なり、ヘッドホン・イヤホン用にプリセットされているのは面白いです。
でも、最適化されたプリセットを使うより、他イヤホン用の設定を使ってみるほうが面白いかも。
例えばSE215でKlipsch Image X10用セットを使うと、壊れた?と思うほどにスカスカな高域に。
しかし音が薄味になったので、曲に含まれている音がよく見えるようにもなります。
K240Sのプリセットはどのイヤホンでも落ち着いた印象。
曲の雰囲気に応じてプリセットを切り替えるのも楽しいと思います。
SE215speにWolfson DS-42IDのプリセットを適用すると、比較的聴きやすい音になる気がします。
高域のピークが若干狭くなるかわりにホワイトノイズを感じなくなり、低域もボワボワせず鳴ります。
静かな場所で聴くには音の広がりが不足しますが、電車内などであればコレもありかなあと。
今回はSE215で試しましたが店頭で試してみたところ、上位機のSE425であれば良い効果も感じました。
製品自体の性能に余裕があるほどに、このAUDYSSEY Music Playerは真価を発揮するかもしれません。
また、店頭テストで感じましたが、試聴の際にAUDYSSEY Music Playerを使うのは良いかも。
『悪くないけど、なにか物足りない』と感じる時に、何が足りないのかが良くわかる気がします。
このアプリは、そうした音の特性や傾向をもう少しハッキリさせる効果があるように思います。
そのため、元々のヘッドホン・イヤホンを気に入ってる人は使わないほうが良いかも。
逆に、もう少し何かが足りないと感じている人は、もしかしたらツボにはまるかもしれません。
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