手のひらサイズなので、音質的には限界があります。
モノラルスピーカーなので、音の広がりには限界があります。
オーディオ機器としては、もちろんローグレードのひとつですね。
しかし、このスピーカーはおそらく設計時点で割り切ってる。
出せる音はちゃんと出して、苦手な音は音楽を損なわない程度で諦める。
結果、ユーザーも耳馴染み良いところで割り切れる。
用途とサイズに対して高いコストパフォーマンスを備えたスピーカーだと感じました。

そうした印象のBluetoothスピーカー『Creative Woof』
メーカーのクリエイティブ社よりモニター品を提供いただいたのでレビューしてみます。

モノラルスピーカーなので、ステレオのような広がりは期待できません。
楽器それぞれがどこに配置され、そして演奏しているか。
そうした雰囲気も掴めない音の鳴り方です。
ただ、音のまとまりは良くなるのがモノラルのメリット。
音楽に向き合って聴くには足りないけど、日常のBGMには良いと思います。

高域と低域はある程度のところまでしか鳴りません。
打ち込み系の音楽などは苦手ですね。
歪むほどに低く重いベースラインとかかなり悲しい軽さ。
しかし人が歌う2.5オクターブまでくらいについてはとても聴きやすい。
ラジオ的な明瞭さで馴染みやすくとても聴きやすいです。
音の傾向としては無印良品の壁掛けBluetoothスピーカーに似ています。

寝室スピーカーには無印良品の壁掛けBluetoothスピーカーを使ってる我が家。
Creative Woofと購入比較する製品としては、音質的にはちょうどこのクラスだと思います。
無印のスピーカーは単体でラジオの受信が可能で、最大音量の無印のほうが上。
スピーカーも2台内蔵されているので、いちおうステレオ再生にも対応しています。
しかし価格はCreative Woofが2,980円に対して無印のは8,900円。
特異な設置場所とリモコンでの電源オンオフなど、操作性とデザインは無印が上ですね。
しかし、本体の大きさと価格、そして音質のトータルバランスはCreative Woofが上と思います。

音量は本体の大きさからは意外なほどに余裕があります。
20畳程度のリビングで、Creative WoofにiPhone5を繋いで鳴らした場合。
ボリュームはだいたい50%の位置で十分。
それより大きく70%くらいまでにしても音が割れたり嫌な震え方をすることなく鳴りました。
本体の剛性（素材）と重量がスピーカーに対して適切なバランスなのでしょう。

Creative Woofのオススメな使い方は、ジップロックなどに入れてお風呂に持ち込み！
お風呂は反響が大きくなる空間。
鳴らせる音域の狭いスピーカーをお風呂で鳴らすと、ほどほどの残響が音に深みを与えてくれます。
ただし、高域と低域は余計に聴こえにくくなりますが。
コンパクトでワイヤレスで、しかも低価格なスピーカーだからこその遊び方。

フル充電状態であれば最長6時間の連続使用が可能で、USB経由での充電が可能。
これであれば太陽光発電と組み合わせればアウトドアでの用途も広がりますね。
bluetooth接続が10分以上切れた状態になると自動で電源オフにもなるので、車中で使うにも便利。
スピーカーフォンの機能も備えているので、ハンズフリーでの会話も可能です。
　
　
小さくて、モノラルで、bluetooth接続な、2,980円という低価格スピーカー。
どうしたって音質的にはそれなりの割り切りが必要になる製品帯だと思います。
実際、このCreative Woofも割り切ったうえで購入するべきスピーカーです。
しかし、あまり大きく妥協をすることなく、良い意味で割り切れる良い製品だと思います。

手軽なオーディオ機器が欲しいというニーズに対しては、万人にオススメする製品ではありません。
だけど、5,000円以下のBluetooth接続型スピーカーが欲しい。
そうしたニーズであれば、十分に検討の余地がある製品だと思います。