ボクの人生は、食と音楽と、そして雑誌。
2014年振り返り企画として、買い物全般、コミック、音楽とまとめてきました。
その最後は『雑誌』です。
出版不況とか、滅びる宿命の雑誌とか、いろいろ言われていますが。
しかしやはり雑誌は面白いのです。
アタリ特集とハズレ特集の落差が激しい雑誌ですが、とにかくアタリの号は面白いです。
それが『BRUTUS』
毎月1日、15日に発売されている雑誌です。
特集の内容はミーハーな場合もあり、ニッチな場合もあり。
ターゲットとしている性別や年齢をコレを定めずに、あれこれ様々な特集が組まれます。
でもこの『アタリとハズレがはっきりしている』のはBRUTUS編集部の狙うところでしょう。
雑誌には『売るための企画』『広告を獲得するための企画』『特色を打ち出す企画』があります。
また、購入者から見ると雑誌はすべての号を買う人と、特集によって買う人に分かれます。
ボクは後者に属するので、落差が激しいと感じるわけです。
『特色を打ち出す企画』の特集で、自分の趣味に合う号を購入しているわけです。
BRUTUSはこの企画がすばらしく上手い。
雑誌の基本を完全におさえた、王道にある雑誌のひとつだと思います。
ボクが好きな雑誌はニッチな雑誌。
とにかく細かく深く掘り下げすぎて読者がついてこれないくらいの雑誌が好き。
少し前であれば自転車関連、最近であれば文房具関連の雑誌が面白い。
しかし文房具は流行していることもあり、関連雑誌は飽和状態になりつつあります。
そんな筆記具関連の雑誌から『趣味の文具箱』が自身の特色強化に走ってて良い感じ。
万年筆を愛用している人であれば、インクと紙の相性はすごい気になるところ。
ブルーブラックのインクがどのように発色して、どんな感じに広がるのかとても重要。
でも、万年筆が流行の兆しだとしても、そこまで深入りする人はあまり多くないですよね。
多くないからこそ、そこを掘り下げてる特集が面白いのです。
今年いちばん参考にしたのがネコ・パブリッシングから発行されている『HUNT』です。
アウトドアをテーマにライフスタイルを提案している雑誌です。
アウトドアをメインにしたファッション雑誌には『GO OUT』などがあります。
そうした同系統の雑誌でも後発になり、比較的高めの年齢層を狙った内容になっています。
モデルもむさいおっさんが多いところからもわかりますね。
アウトドアファッションに限らず、キャンプグッズなども多々紹介されます。
HUNTの面白さは、タウンウェアにはちょっとハードコアなアウトドア服だけではなく。
テキストの読み応えにこそあると思います。
特に面白いのが『田淵義男』さんのコラム。
山で暮らす作家の田淵さんが、自身の生活を自分のことばで書かれていて、とても読み心地が良いのです。
『服×本』というのは特集として定番ですよね。
だけど、多くはファッション的なアイコンとして本を扱っている感じの特集が多かった。
そのため、装丁のきれいな洋書などばかりで『読む本』が好きなボクにはイマイチ。
しかし、今年に発売された女性ファッション誌で特集された本特集は面白かった!
今手に入る日本の本を扱っているところも良いし、その本がどれもおもしろい作品なのも良い。
ちゃんと本を知って紹介している感じが楽しいのです。
特に面白かったのが『GINZA 12月号 – 本とコート』
FRaUやCREAも面白い特集だったけど。
しかし正面から文学を扱ってファッションと組み合わせたGINZAが最高。
美しい写真と本のシュールなコラボレーションが味わい深いです。
指フェチな方にもGINZA12月号はかなりオススメです。
いま売れるのがシニア世代向けの雑誌。
このカテゴリーの面白さに開眼したのが『孫の力』
なんというか、『死』というのはタブーな感じもあるように思うのですが。
しかしターゲットがシニア世代であれば、それもまた身近な現象のひとつ。
誌面でもナチュラルに扱われています。
おおきなタブーに対して枷が外れているからこそ、誌面作りがものすごい自由。
そんな自由が許される雑誌の後発が『つるとはな』
小沢征爾と火野正平と蛭子能収が同じ雑誌に登場するのもシニア向けだからこそ。
孫の力より少し常識的な作りですが、読み応えもありオリジナリティもあり。
このカテゴリーは2015年も要注目ですよ。
あなたも100年生きられるって、もう自然に還ってるし!
2012年12月1日発売のブルータス(745号)『夢の文芸誌《文芸ブルータス》』が面白そう!
ブルータスが派手なんだか地味なんだかよくわからないことをやってくれるようです! 文芸にフォーカスをあてた特集とか、なかなかチャレンジだと思うんですよ。
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