米国での発売からずいぶんと遅れて、ようやく日本でも購入できるようになったFire TV Stickの第2世代。

第1世代でも基本的な視聴にはそれほど差し障りなかったのですが、リモコン操作の反応が悪かったり動きの早い動画では画質が荒れることもあり、プライムビデオの配信クオリティに端末の性能が不足していることは明らかでした。
そうするともう少し処理性能の高いモデルを望んでしまうのは欲深いボクの信条。

そして米国で登場した第2世代のFire TV Stickは、期待通りにCPUやメモリサイズなどの基本性能がすべて向上している！
そりゃもう、日本で予約受け付け開始初日に申し込みました。
こうしたデバイスを予約購入したのなんて、もしかしたら初めてのことかもしれない。

パッケージの内容物は初代Fire TV Stickとほぼ変わりありません。
添付されるリモコンが音声に対応したことが大きな違いですが、最初のセットアップが済んでしまえば、あとはスマートフォンで操作したほうが使いやすいのも初代と変わりありません。

ACアダプタ、USBケーブル、リモコンは初代のものを転用できるので、すでに初代Fire TV Stickを使用している場合は、本体を入れ替えるだけで問題ありません。
端末のセットアップ情報は引き継がれないので、Wi-Fiや機能制限などの設定はもういちど行う必要があります。

初代Fire TV Stickと比べた処理性能は、描画性能で2倍、演算性能は3倍、CPU全体の性能では3.5倍ほどにスペックアップしています。
ただし、Fire TVと比較すれば、2代目Fire TV Stickよりも初代Fire TVのほうがすべての性能で2倍以上の高スペックになっているので、Fire TVでゲームをプレイしたい場合にはFire TV StickではなくFire TVを選択したほうが間違いないです。

上が第1世代、下が第2世代。
だいぶ大きくなりましたね。

配信される動画を視聴したり、YouTubeやDAZNなど動画配信のアプリを利用するだけであれば、2代目Fire TV Stickで必要十分な性能があります。
Wi-Fiが802.11acに対応したことも大きな変更点です。
Fire TV StickはテレビのHDMI端子に直接装着するデバイスですが、HDMI端子はだいたいテレビの背面にありますが、テレビの背面は電波環境としてはあまり好ましい条件ではありません。
その影響もあるのか、5GHz帯を必要とする802.11acでの接続は安定性に欠けるように感じられました。

Fire TV Stickは最大解像度1080pなので、もともと4K動画には対応していません。
1080pの動画であれば必要な回線速度は5Mbps程度なので、802.11nの接続でも十分に足ります。
802.11nであれば2.4GHz帯を利用できるので5GHzより安定するので、Fire TV StickであればWi-Fiは802.11n（2.4GHz）を介して接続するのをおすすめします。

メニュー構成が変わったので、最初はちょっと戸惑いました。
画質はとくに変化を感じない程度ですが、動きの早い映画を観ると性能に余裕のあることがよくわかります。
しかしプライムビデオを利用する範囲ではリモコンの操作性にもたつきがなくなった点で、性能の向上がいちばん感じられると思います。

コンテンツの話題とすればDAZN。
放送されにくいスポーツを視聴できるので少し期待していたのですが、かなり残念なところでした。
いままでまったく観られなかったスポーツが観られるようになったのは、それはとてもうれしいことなのですが、長く観ていると疲れる！
まず、解像度が低く画質が甘いので、スポーツコンテンツのように動きの早い場面では映像の輪郭が溶けたように流れてしまいます。
おそらくは2代目Fire TV Stickが届いたことで、DAZNのお試しユーザーが急増しているのかもしれませんが、配信が細切れになりやすいのも減点。
話題性や注目度の高いゲームのときは、同様の配信状態になってしまう可能性があると判断しました。

スポーツは一瞬で状況が大きく動いてしまう。
その一瞬を見逃してしまうから、細切れの配信は致命的です。

初代Fire TV Stickユーザーであれば買い換えることをおすすめします。
デバイスのアップデートは「余計なことをするなよ……」と感じることも珍しくないですが、そもそも余計な部分がないFire TV Stickなので、そのすべてが完璧なアップデートになっています。