2013年デビューのマンガ家に限らず、今年とくに注目したくなった4人をピックアップ。
連載本誌より単行本化されてから知ることが多いボクです。
そのため、本誌連載(掲載)デビューは数年前ということもあるのはご容赦ください。
4人それぞれ違う持ち味があり、独特のシナリオや視点から楽しませてくれる作家です。
以下ではボクが魅力を感じる部分だけを書いてみました。
だからもちろん「あれ、ちょっと…」な部分もまだまだあります。
それらもあわせて、これから更に注目したいマンガ家です。
今年出版された単行本と併せてご紹介しているので、興味があれば手に取ってみてください。
『ハルタ(旧フェローズ)』で『鴨の水かき』を連載中。
ボクが購入したのはフェローズ初期からときおり掲載されていた短編をまとめた『スナップガール』です。
絵は下手と評価して差し支えないと思いますが、力強いストーリーを書ける作家です。
これは短編という制限があるからだと思いますが、起承転結の動きはあまり大きくありません。
その制約の中で登場人物それぞれの過去・現在・未来を描き、骨の太いストーリーを形作っています。
「飼い猫の死」というひとつの終わりと、そこから見出す「新しい人生」を描いた『ふたりの港』
不遇な過去を捨てて独りで子を育てる道を選んだ女性の閉塞感と、その末にある小さな幸せを描いた『町火消し』
表題作になる『スナップガール』も悪くないですが、この2作がとくに良いです。
原作担当の姉『長崎』と作画担当の妹『ライチ』によるマンガ家ユニット。
ペンネームの由来についてwikipediaによると……
1. 「長崎」は「住んでる町の名前なら、かろうじて覚えていられる」
2. 「ライチ」は「ライチってかわいいー」
このふたりはギャグマンガ以外は書けない宿命を背負ってデビューしたという背水の陣。
そんな彼女たちの連載作『ふうらい姉妹』
突っ走るしか自らを許せない状況に追い込んでるふたりが作り出す世界は、独特という言葉を超えて軽く異常。
これぞシュールレアリスムと言うものか、しかしそこに見出してしまう既視感のようなものは……。
ありえないんだけど、なにか近しいものも感じてしまう不条理。
ヤバいからこそクセになる、毒か薬かと言えば毒だろって感じで押し切られるこの快感。
この作風を天然と計算の絶妙なバランスで作れるようになったら……!
最高のギャグマンガ家になると期待しちゃうわけです。
2006年にコミックバンチよりデビュー。
現在はコミックゼノンで『ワカコ酒』を連載中の作家です。
このマンガ家の特徴は、とても丁寧な描写。
かなりシンプルな線で描かれた絵でありながら、情景描写がとても上手い。
キャラクターはデフォルメされていながらも、表情がゆたかで伝わってくる。
エッセイ的な要素の強い作品が多いマンガ家だと思うので、この特徴は強い武器だと思います。
今回購入した『ワカコ酒』も登場人物は少ないし、コマ内の密度もそれほど高くない。
それでも主人公『ワカコ』の食に対する喜びがものすごく感じ取れて、下手なグルメマンガよりヨダレ。
マンガは写実である必要はなく、絵も描写もすべてがマンガ的にデフォルメされてるべきだと思います。
どういったバランスで形にするか。
そこにマンガ家としての技量が見えると思います。
『マンガの中』で生きる人が『自分はマンガのキャラクターだ』と自覚している不条理。
そんな自覚を得た人が主人公のマンガが『わたしの宇宙』です。
こうしたネタを扱ったマンガはいままでもあるように思うし、小ネタ的にも銀魂なんかでもやってますね。
この作品がほかと違うのは、この状況を日常として描こうとしていること。
笑いにするでもなく、堅苦しい理屈で押し固めてもいない。
だからこそちょっとした匙加減でバランスが崩れて、作中世界がデタラメになってしまう。
そんなに長期的な連載が可能なコンセプトではないと思うけど、それまでバランスを維持できるか。
それが果たせれば、このマンガは傑作にも成り得ると思うのです。
もちろん逆であれば、ちょっと痛々しい駄作に終わるかもしれないけど。
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