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ライカ製カメラの規格であるところのM型レンズマウント。
ボクはこのMマウントのレンズが好きで、デジタルカメラでも利用しています。
しかし、例えばボクが使っているSONY α7シリーズはEマウントという規格。
そのためMマウントレンズをそのまま利用することができません。
そこで必要になるのがマウントアダプター。
これを利用することでMマウントのレンズをEマウントのカメラに装着可能になります。

さてこのMマウントレンズ。
とてもコンパクトで扱いやすいレンズなのですが、その特徴として最短撮影距離が長いのです。

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例えばボクが愛用している『COSINA Voigtländer Ultron 28mm F2』は最短70cm。
70cmギリギリの距離で撮影した場合は、およそこれくらいの距離感が必要になります。

Mマウントレンズの場合、最短撮影距離が70cmというのは標準的な距離。
もっと広角のレンズであれば50cmもありますが、それでも他の規格と比べて2倍くらい遠い。

テーブル撮影などをしたい場合に、この70cmという距離感はかなり致命的だったりします。
そのため、用途に応じて何本かのレンズを持ち歩く必要もあったりして面倒くさい。

そこで今回購入した『VM-E Close Focus Adapter』の登場です。
VMとはCOSINA社のレンズブランド『Voigtländer』から販売しているMマウント互換の規格名。
Ultron 28mmと同じメーカーが自ら作っているマウントアダプターなのです。
マウントアダプターとレンズが同じメーカーしかも日本製。
この安心感とブランド価値は、それだけで所有欲のいくらかを満たしてくれるでしょう。

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この製品を使うと、なんと70cmであった最短撮影距離が23.8cmの距離に短縮されちゃうのです。

23.8cmって相当に近いです。
被写体からレンズの付け根ちかくまでの距離が23.8cmですから、これは本当に近いです。
Ultron 28mm自体が5cmあるので、レンズの先端から被写体まで19cm程度の距離。
温かい料理なら湯気でレンズが曇っちゃう距離です。

VM-E Close Focus Adapterが便利な点は、レンズ本来の性能には影響がないこと。
最短撮影距離が短くなるだけで、従来の距離もちゃんと撮影できます。
23.8cmから70cmまでのあいだの距離も、無段階で撮影できます。
いままで70cm〜無限であったレンズが、23.8cm〜無限になるわけです。

レンズもマウントアダプターもコンパクトなままで、使いやすさが格段にアップするわけですね。

距離の調整は調整用リングをまわして行ないます。
調整用リングをまわすと最大で4mm、マウントアダプターがレンズを前方に押し出します。
この4mmの押し出しで最短撮影距離が23.8cmに短縮されるわけです。
リングの内部にはグリスが充填されていて、ほどよい重さでスムーズに回ります。
この回す感触も(あ、カメラで遊んでる!)という感覚に直結していて最高なわけです。

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難点は若干重いことと、値段が高いことと、生産数が少ないこと。

VM-E Close Focus Adapterは、製造精度こそが命なので、金属ボディになっています。
そのため、他のマウントアダプターと比べて数倍重い125g。
Ultron 28mmが244gなので、合計369gとそこそこの重量になります。
レンズだけど350gとなれば、オートフォーカスのレンズも十分に選べるんですよね、実は……。

そしてお値段も3万円台とマウントアダプターとしてはかなり高いです。
もちろん精度と品質もそれに見合ったものなわけですが、高いのは間違いないです。
Mマウント互換レンズと合わせて購入すると8〜10万円くらいになるわけですね。
このお値段になれば、これもそこそこなレンズが買える価格帯なんですよね、実は……。

そしていちどメーカー在庫がなくなると、次の生産がいつになるのかわからない不安。
今回も数ヶ月は待ったわけです。

客観的に見れば、ポジティブな要素があまりにあたらない製品です。
すなわち、レンズ製造メーカーがニッチなニーズにお応えして作ってるニッチな製品ということですね。

でもそれこそが趣味の醍醐味だと思うわけです。

もしMマウントレンズをEマウントカメラでお使いであれば。
もしくは、マウントアダプターでレンズ沼を味わってみたいとお思いならば。
VM-E Close Focus Adapterは最高の体験を約束してくれると思います。

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SONY α7Sにマウントアダプター『 VM-E Close Focus Adapter』を購入しました

UPDATE: 2015.02.15
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