東京お茶の水駅近く。
神田明神さんの鳥居近くに男物和服専門店が2015年3月1日オープンしました。
経営母体は着物の大手チェーンである『きもの　やまと』です。

比較的入りやすい雰囲気の和服のお店って、だいたいが女性向けなんですよね。
女性向けのお店でも、そこで扱われている反物から男性が着る和服を仕立てることはもちろん可能。
だけど、男性向けに選ばれた反物から選べるというのは、特に初心者（ボク）にはありがたいです。

ちょっと敷居が高い点と言えば、反物からの仕立てになるということ。
オーダーメードって仕立て代がおいくらかもわからないし、それがおいくらかもちょっと聞きにくいですよね。
Y.&SONSは反物の価格に仕立て代も含まれているのがちょっとありがたいのです。

今回は自宅で洗えるモスリンという生地で、着物の1枚下に着る長襦袢を仕立ててもらいました。
絹などの素材に比べてかなり安価で、仕立て込み3万円弱になります。

和服初心者（ボク）が困ることのもうひとつが、色や柄の合わせ方。
着物だけではなく、足袋の草履も馴染みのないものだから、素材感や定番の色柄もわからない。
どんなものがあるかもわからないから、どんな組み合わせがアリなのかもわからない。
女性向けをメインにした店舗だと足袋すら売っていないこともあるので参考にならない。
ネットで探せば雰囲気はつかめるけど、実際に組み合わせたらどうなるかは不安が残る。

Y.&SONSでは反物、足袋、草履といった和服の定番だけでなく、コートや鞄、帽子なども扱っています。
伝統的・定番的な組み合わせから現代的なコーディネートまで、実際にトータルで確認することができます。

この「実際に確認できる」というのが、わからないことを知るにはとても大切だと思います。
Y.&SONSは和服のセレクトショップと捉えると良いかもしれません。
店舗の提案する反物から、自分が好きな和服スタイルを作るのが良いなと感じたのです。
そうすればネットや古着から選んで安価に買えるようになるんじゃないかな、と思うわけです。

和服に限らず、洋服に和のテイストを加えたいなんていう場合にも参考になる商品がたくさんあります。
レザーバックやレザーシューズなど、およそ和服にあわせるの？という商品もあり、それらもいちいち高品質。
こうした小物を眺めるのも面白いお店だと思いますよ。
　　
　
夏には浴衣を着る男性は少なくないですよね。
ボクも花火大会には浴衣で出かけたりしています。
和服に興味のある男性って、実際そんなに少なくないと思います。
興味はあるのに手が出せない理由には、なんとなくわかりにくいというのがありました。
とにかく価格と敷居が高いイメージだし、どこで扱っているかもわかりにくい。

でも、実際に仕立ててみると、そこまで難しい服飾文化ではないんだなと思えました。
絹だけではなく綿や麻もあるし、スーツの生地やデニム生地で仕立てられるような自由度もあって。
価格については、反物からのオーダーメードなので、すべてを揃えるには15万円くらいはかかります。
日常的に着るような服でもないので、そこに15万円というのは本当に安くはないです。
しかし『あ、15万円でどうにかできるのか』と感じてしまう方もいると思います。

ファッションのひとつとして、洋服とは違う雰囲気と自由度をオーダーメードできる。
その面白さを15万円からのコストで得られるのは、ボクは『アリ』だと感じました。

わかりにくい和服文化であって、さらに情報を得る機会の少ない男物の和服事情。
それを現場で、生の感触で得られる稀少なショップがY.&SONSだと思います。
和服に興味ある方は、ぜひ訪れてみてください。
きっと面白いと思います。

Y.&SONS