2011年モデルのMacBook ProはCPUにIntel i5を搭載しているなど、あと数年は不足なく使える基本スペックになっています。
メモリもHDDも交換できるし(これ重要)。
しかしさすがに6年も使っていると、消耗を感じられるパーツが出てくるもので、今回はHDDに明らかな異音と読み込みの遅さが生じました。
これはまもなく壊れると判断し、延命と更なる快適さを求めてSSDへの換装に踏み切りました。
SSDと言えばIntelやSamsungが定番かもしれませんし、いままでオススメのSSDを質問された際には「Intel製品で!」と答えてきました。
しかし今回はコストパフォーマンスの高いSanDiskのUltra IIシリーズで換装してみることに。
仕事柄、様々なストレージに触れる機会もあり、その中でもSanDisk Extreme Proシリーズは評判の良い製品ですが、それだけにお値段もけっこう高い。
それに比べてUltra IIシリーズは240GBが10,000円と比較的リーズナブルで、製品保証も3年と標準的なので試してみることに。
SanDiskのUltra II SSDシリーズはフラッシュメモリに「TLC」のNANDチップを採用しているため、SSDでは標準的なMLC採用の製品に比べると「遅くて短い寿命の製品」と思われやすい構成ですが、OSを入れた起動ディスクとして使う分には性能的なデメリットはほぼありません。
それを実現しているのがUltra IIシリーズに搭載されている『nCache 2.0』で、Ultra IIに搭載されているTLCの一部をSLCとして扱い書き込みキャッシュにします。
SLC(Single Level Cell)、MLC(Multiple Level Cell)、TLC(Triple Level Cell)の違いは速度と安定性。
読み書きの速さはSLCがもっとも速く、次にMLC、最後がTLCとなります。
耐久性についてもSLCがもっとも壊れにくく、次にMLC、最後がTLCとなります。
価格についてはTLCがもっとも安価で、次にMLC、もっとも高いのがSLCとなります。
低速&不安定&安価なTLCを、部分的にSLCとして使うことで高速&安定させるのがnCache2.0です。
TLCの一部をSLCとすることで、データを書き込む際にSLCを中継させてデータ転送の効率化と高速化させて、TLCの記憶領域への書き込み回数を抑えて安定化にもつなげています。
SanDisk Ultra II | 960GB | 480GB | 240GB |
---|---|---|---|
シーケンシャル読出し(最大) | 550MB/秒 | 550MB/秒 | 550MB/秒 |
シーケンシャル書込み(最大) | 500MB/秒 | 500MB/秒 | 500MB/秒 |
ランダム読出し(最大) | 95K IOPS | 98K IOPS | 91K IOPS |
ランダム書込み(最大) | 79K IOPS | 80K IOPS | 80K IOPS |
SanDisk Extreme Pro | 960GB | 480GB | 240GB |
---|---|---|---|
シーケンシャル読出し(最大) | 550MB/秒 | 550MB/秒 | 550MB/秒 |
シーケンシャル書込み(最大) | 515MB/秒 | 515MB/秒 | 520MB/秒 |
ランダム読出し(最大) | 100K IOPS | 100K IOPS | 100K IOPS |
ランダム書込み(最大) | 90K IOPS | 90K IOPS | 90K IOPS |
このnCache2.0への自信が、TLCでありながらMLC採用のExtreme Proに並ぶ転送速度の公表値と、3年の保証期間に現れているのかもしれません。
上図はSanDisk SSDの最上位グレードになるExtreme ProとUltra IIの性能差(カタログ値)です。
転送速度は読み込みは同等、書き込みではExtree Proのほうが3~4%ほど速い転送が望めるようです。
IOPS(1秒間に処理できる読み書きの数)は書き込みで10%程度の差があるので、読み書きが大量に行われる用途ではExtreme Proのほうが適していることがわかります。
この性能差を体感するのは、動画など数GBになるファイルを扱う場合です。
Ultra IIはnCache2.0がデータをキャッシュして速度と安定性を高めているので、キャッシュに収まらない大きさのファイルを扱う場合には速度がおおきく低下します。
Ultra IIのnCahce2.0はSSD容量に比例してキャッシュ容量も大きくなるので、480GBで足りるところを960GBモデルを購入すればキャッシュサイズの不足は補えるかもしれません。
ただ、Ultra IIの960GBモデルは34,000円前後、Extreme Proの480GBモデルは28,000円前後となるので、容量がオーバースペックであればExtreme Proを購入したほうが安価で保証も10年になります。
本体は厚さ7mmの薄型SSDですが、厚さ9.5mmの標準的2.5インチストレージのサイズに変換するスペーサーが添付されています。
MacBook ProのHDDを換装する場合は、このスペーサーをSSD背面に貼り付けます。
SSD本体もスペーサーもプラスチックなので接着剤などは使わずに両面テープで接着します。
2.5インチHDDよりUltra IIのほうが若干大きいのか、MacBook Proへ取り付けるときの感触はHDDよりUltra IIのほうが若干押し込む感じになりました。
固定のネジなど抵抗なく締められたので歪みなどは生じていませんし、換装後に不具合や違和感はないので大丈夫だと思います。
今回、HDDからSSDへのデータ移行は以下の手順で行いました。
1. HDDをTime MachineでUSB HDDへフルバックアップ
2. SSDをUSB接続の2.5インチケースに入れて接続
3. ⌘ + Rを押しながら再起動
4. ディスクユーティリティーでTime MachineからSSDへ復元
5. optionを押しながら再起動してStartup ManagerでUSB SSDから起動を確認
6. MacBook Pro内のHDDとSSDを入れ替えて起動を確認
7. ⌘ + option + P + Rを押しながら再起動してNVRAMをリセット
8. shiftを押しながら再起動してキャッシュ等の削除
使用総量が150GB弱のHDDからで、述べ4時間程度の作業になります。
HDDからSSDへの換装は何度も行っていますが、速さだけではなく発熱と振動がなくなる点もおおきな魅力ですね。
SSDの状態管理が行えるサポートツール『SSD Dashboard』がSanDiskのWebサイトから無償ダウンロードできますが、Windows版のみ提供となるため、MacユーザーはOnyxなどを利用するのがオススメです。
お約束のSSD搭載MacBookシリーズと、換装したSanDisk Ultra IIの速度比較を最後に掲載しておきます。
比較するのはMacBook Air 2010、MacBook Pro Retina 2013、そしてMacBook Pro 2011 width SanDisk Ultra IIの3機種です。
クリーンインストール状態ではないので、およそ実際の使用状況に近い数値になってるかもしれません。
MacBook Pro Retinaの性能がいちばん高くて安心しましたが、SanDisk Ultra IIも悪くない結果です。
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