Vapeは香料などを添加されたグリセリンを水蒸気にして楽しむガジェットです。
香りづけされたグリセリンを「リキッド」と呼び、これは世界中で何百という銘柄が販売されています。
香料の原料（原液）は個人でも購入可能なので、趣味として制作されている方も多数いますし、今時点で有名なリキッドメーカーには個人趣味で始めたものが評判となって仕事のレベルにまで至ったケースも多々あります。

そして日本にも、きっとこれからもっと有名になって、もっと多くの方を楽しませてくれるはずのリキッドビルダーがいます。
それが「BaksLiquidLab」
現在は3種類のリキッドを販売されていますが、今回ご紹介するのはbaksliquidlabの原点となる最初の作品「Gotland Pepparkakor（ゴットランドペッパカーカ）」です。
愛称は「ぺぱかか」

pepakaka

Pepparkakorはスウェーデンのスパイスクッキーで、主に使われるスパイスは生姜、シナモン、カルダモン。
クリスマス時期になるとよく食べられるクッキーで、このクッキーに使われるスパイスはスウェーデン人にとって「クリスマスの香り」と感じられるほどに馴染み深いものだそうです。
良いですよね、クリスマスの香り。
その言葉からイメージする香りだけで、とても良い気分がしてきます。

Gotland Pepparkakorはジンジャークッキー、蜂蜜、煙草葉、少量のシナモンがブレンドされた「スウェーデンコンセプト」のリキッドになります。

私の好みではシングルビルドの0.7～0.8Ωが適当でした。
0.5Ω以下だと生姜だけが強く出てしまい、1.3Ω以上だと味の変化にメリハリが失われます。
粘度が若干高いようなので、コットンは供給重視でNINJA WORKZを使いました。
アトマイザーはTYPE-R、カンタルAWG26シングル 2.5mm／6巻の0.73Ωです。
エアフローは閉じるとタバコ葉が強く感じられるので開き気味にしています。

吸った最初の印象はタバコ葉と若干のシナモン。
紙巻された「タバコ」の香りではなく、乾燥させたタバコ葉そのもをイメージさせる香りです。
ここでバニラの風味が見えてくると途端にアメリカ的な大味な甘さに繋がるのですが、タバコ葉を感じた直後に控えめなシナモンが追いかけてきます。
このシナモンがコンセプトを形作るうえで大きな仕事をしています。
シナモンを感じるとすぐに生姜の辛さと蜂蜜の甘さがやってきます。
ミストを鼻から吹き出すとタバコ葉の香りが、口から吹き出すと蜂蜜と生姜が主役のクッキーフレーバーが嗅覚を満たしてくれます。

そして一通りの香りが抜けて行った最後に残るのは、香ばしさと甘さ。
ジンジャークッキーのイメージが、口の中にほんのりと残ります。
とても満足感の高いリキッドです。
複雑な味というよりも、折り重なった味と香りが変化していくリキッドという感想を持ちました。

おいしいリキッドは続けて吸いたくなりますが、Gotland PepparkakorはRDAで1チャージ分も味わえば十分に満足できます。
それだけ余韻がしっかりしているのです。
余韻を味わえるリキッドなのでコーヒーや紅茶だけではなく、暑い季節であればモヒートやウォッカ・トニック。
涼しくなればホットワインなんかと合わせて楽しめますね。