この記事は特に個人事業主やスモールオフィスを営まれている方に向けた記事です。
個人ユーザーでもNASなどを利用するのは一般的になりつつあります。
でも、ビジネスユーザーと個人ユーザーでは、NASに求めるものが違うと思います。
個人ユーザーであれば安価で早いNASが扱いやすいと思います。
しかし、ビジネスユーザーがNAS導入で考えるべきポイントは以下の3点ではないでしょうか。
これがもっとも重要になると思います。
アクセスの早さも重要ですが、常にある程度の速度で安定的にアクセスできること。
スモールオフィスであれば、同時接続があっても速度に大きな変化がないこと。
連続稼動による性能低下が抑えられていること。
こうした要件はビジネスを安定的に運営するためには重要に思います。
データファイルは日々増えます。
しかし個人ユーザー以上に、ビジネス上でのデータは消すことが難しいケースが多いです。
必然的にNASの容量が不足することになり、増設などを検討する必要がでてきます。
そうした場合に、多くのNASは『本体の増設』しか方法がありません。
これはマウントドライブが増えることにも繋がり、管理コスト面でもデメリットになります。
増設コストも安価ではありません。
PC上にアンチウイルスを導入するのは当たり前のことです。
それであれば、本来的にはNASにこそアンチウイルスは必要なはずです。
また、スモールオフィスであればNASにアクセスできるユーザーを制限するべきでしょう。
そうした場合、LDAPなどを活用して一元管理するほうが効率的です。
これらの他に。
WindowsとMacの混在環境下でも限定されないファイルシステムであることも重要です。
具体的にはafpとsmbが同時利用可能であることですね。
個人情報保護の観点も考慮する場合、NASのログ機能も重要になります。
SynologyのNASは様々なアドオンシステムを利用できる点が他社NASより特徴的です。
これらのアドオンはサービスメニューからインストールすることで利用できます。
必要なシステムだけをアドオンする方式なのが良いのです。
使わないシステムが最初から入ってるなんて、とても嫌ですよね。
アドオンシステムから特に便利なものをいくつかピックアップしてご紹介。
アンチウイルスソリューションが標準化されています。
NASに対してアンチウイルスを設定する場合、低価格帯の製品であればPC上からスキャンするしかありません。
これではPC以外にもネットワークにも負荷がかかり、とてもロスが大きくなります。
複数のPCで作業する場合などに有効な、PC間でファイルの同期が導入可能です。
同期をNAS側から行うため、PC側での負荷は最少となります。
しかも、その同期が最大32世代まで管理されるので、遡ることが可能になります。
マルチデバイスのタイムマシンバックアップのような感じですね。
複数Synology間での同期も『High Availability』というアドオンで実装可能です。
この場合は異なるNASで同一のデータファイルを保存することが可能になるため、障害耐性が向上します。
これはちょっとお遊び要素も高いですが、iTunesサーバをNASに構築可能です。
普段作業のPCには音楽ファイルを置く必要がありません。
iTunesはPC負荷がそれなりにあるアプリなので、それが不要となるメリットは大きいです。
PCリプレイス時のコピーファイルが相当減らせるのもメリットになるかも?
そして地味だけどかなりメリットの大きい機能がこのメールステーション。
NASにメールサーバを構築することも可能ですが、この機能はクライアントメーラーの代替になります。
POP3などで外部のメールサーバから受信したものをwebmailの形で参照することが可能に。
ビジネスにおいて、メール損失のインパクトはきわめて大きいものです。
NASはRaid構成も可能なので、受信したメールの損失を防ぐことも可能になります。
また、PCリプレイス中であってもメール送受信に影響がなくなるメリットも大きいですね。
これら以外のアドオンサービスも多々あります。
例えば、SynologyはSMBとAFPに対応しているので、バックアップにはtime machine運用も可能です。
くわしくはパッケージを参照してください。
そして最後に転送速度のグラフがこちら。
上段は5GBのファイルで、下段は1MBを5000ファイルで、それぞれ読み書きした際の転送速度になります。
左のグラフが書き込み(upload)、右のグラフが読み込み(download)になります。
特長的な速度ではありませんが、ストレスを感じない程度だと思います。
このグラフについての詳細は性能を参照してください。
デメリットとしては、初期コストが高いという点ですね。
このNASはHDDが搭載されていない状態で販売されています。
ユーザーは必要な容量のHDDを用意して装着してから利用することになります。
複数のHDDを装着できるモデルの場合、Raid:0やRaid:1などを構成することも可能です。
最初は2TBのHDD2台でRaid:1を構成。
不足したらもう1台のSynologyを導入して『High Availability』をアドオン。
それぞれはRaid:0として4TB運用する……などの発展も可能になります。
低価格NASの機能もだいぶ向上していますが、ビジネスに用いるには相応の製品を選ぶ方が安心ですよ。
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